3.5MHz帯ARDF用の受信機(キットあり)PJ-80は、
安価でそこそこの性能をもっているので、
初心者・入門者向けにかなりの数が出ています。
ところが、実戦で一番問題になるのは、
周波数安定度がとても悪いことです。
電源を入れてから数十分間は、局発の周波数が
どんどん動いていき、場合によっては、信号が帯域外に
はずれてしまうことさえあります。
これを改善するために、局発等の電源を
3端子レギュレータ78L05で安定化させてみました。
これは、ずいぶん改善されるとのレポートをいただいて
半信半疑で試してみることにしたものです。
結果は、びっくりするぐらい改善されます。
78L05、パスコン、配線材料、006P用スナップなど、
100円〜200円の材料費とわずかな工作ですみます。
簡単なハンダ付け工作ができる人なら、
絶対にお勧めできます。
基本的には、AFアンプを除いた残りの部分への
電源の供給になっているR7の抵抗を
3端子レギュレータに替えるようになります。
また、それに伴って、単3乾電池4本の電源を
006Pタイプの乾電池に取り替えます。
3端子レギュレータで3Vや4V用のものが手にはいるならば
電源は6Vのままでも大丈夫ですが、
軽量化も兼ねて、006Pに取り替えてしまう方がいいでしょう。
5v用のレギュレータ78L05は、簡単に手に入ります。
・R7の撤去
・VD3の撤去
・3端子レギュレータ78L05の取り付け
・安定化のためのパスコンの取り付け
・配線のやり直し(78L05出力から局発等電源部へ)
・電池端子板の撤去
・006P用スナップの取り付け
作業はこういう流れになるでしょうか。
ツェナダイオードのVD3は、写真のように、片側だけ
足をはずしておいても大丈夫ですが、
R7は取り去ってしまいましょう。
後で、R7の足の部分に配線をしますが、その際、うっかり、
R7の足が他の部分に当たってしまうことがあるからです。
78L05は、R7の場所に取り付けてもいいのですが、
グランドパターンが近くにないため、
異常発振等を防ぐためにも、写真のように、
C9の近くに配置するといいと思います。
(因果関係は調査中ですが、R7の近くに配置して、
強い信号で異常発振が起きるという報告があります)
入力側には、C9があるので、パスコンは省略しても
大丈夫ではないかと思いますが、
出力側は、配線を延ばしますので、パスコンをつけます。
実際、パターン上でも、この電源ラインが長いので、
場合によっては、適宜、パスコンを入れる方が
安定することも考えられます。
78L05を使うときは、電池を9Vの006Pに替える必要があります。
(試していませんが、ニッカドタイプも何とか可でしょう)
単3電池用の端子板を取り除けば、006Pタイプが
ピッタリ収まります。厚みの関係で隙間ができるので、
スポンジや紙、プチプチなどで、適宜、押さえてください。
今回は、感度不足についてはいじっていません。
供給電圧が少し高くなる分、わずかな感度上昇は
考えられますが、逆に、異常発振にも気をつけましょう。
手が着けられないほどのトラブルになれば、元に戻すことも
考えなければなりませんが、レギュレータを使うことによる
安定度の改善が劇的なので、少しだけ、パスコンなどによる
トラブル回避を目指してみましょう。
また、信号源がある方は、3.520で感度最高になるように
黒コアのIFTとトリマを調整しておきましょう。
信号源がない場合は、夜に電信とSSBの境目辺りのQSOを
聞きながら、少しでも調整した方がいいと思います。
HFの機械がない場合は、調整用SGキットをどうぞ。(笑)
さぁ、明後日のARDF岡山大会で、実戦テストしてきます〜。